映画「
おもひでぽろぽろ」に
「分数の割り算がすんなりできた人は、その後の人生も上手くいくんだって」という台詞がある。映画館でリアルタイムで観た帰り(そう言えばちょうど夏休み時期だったっけ)、一緒に観に行った彼女とそのことが話題になったのを覚えている。って言うか、今考えると高校生がデートで観る映画で「おもひでぽろぽろ」はなかったなぁ。あれは大人になって初めて良さがわかるもんだと思うんだけど。
…閑話休題。 そう、分数の割り算である。今では当たり前のように割る数の分子と分母を入れ替えて、つまりは逆数を掛けて答えを出しているが、そもそも何で「逆数」を「掛ける」のか?そもそも分数の割り算って何?日常生活で使った試しねぇよ。6÷2だったら6個を2人で分けるってことなんだろうけど、6÷1/2だったら1/2人で分けるってこと?何だよ1/2人って!?半人前?俺のこと!?
…なんてことを考えず、「
これはそういうものなんだ」と割り切ることが
「オトナになる」っていうことなんだろうなぁ、きっと。
ところが、である。先日本屋で、平積みしてあった「算数再入門」(中山理/中公新書/2008年)に目が行って何とはなしに手にとってみた。

目次を眺めると、数の数え方から始まって足し算引き算、そして掛け算割り算と、小学校1年生レベルから算数を再確認していく内容らしいのだが、おもしろいことに「
分数の割り算は、なぜ除数の逆数を掛けるのか」ということで分数の割り算だけで一章を割いているのである。やっぱり分数の割り算というのは小学校の算数の最大の難所なんだろう。じっくり読んでみたくなって結局購入してしまったのだが、その本によると…。
問題 3/7÷4/5@ 「割り算の被除数と除数に同じ数を掛けても、0でない同じ数で割っても商は変わらない」という割り算の性質を利用する。
☆つまりはa÷bだったら(a×2)÷(b×2)や(a÷3)÷(b÷3)でも答えは変わらないということ。
A @を利用して、割る数が1になるように両方に5/4を掛ける。
(3/7×5/4)÷(4/5×5/4)
B a÷1=aなので
=(3/7×5/4)÷20/20
=(3/7×5/4)÷1
=3/7×5/4
というわけで、3/7÷4/5=3/7×5/4であるということが数学的に証明されてしまった。実に見事、鮮やかな証明である。最近、数学って美しいなぁと思うのだが、やっぱりここまできれいに決まるとこれはもう「
美」の領域に入っていると思ってしまうのは私だけ?
ちなみに「おもひでぽろぽろ」を観に行った帰り、彼女に「分数の割り算、すんなりできた?」と聞かれたのだが、もはや当時のことが記憶になく、すんなりできたかどうかもわからない始末。そんな自分のその後の人生、うまく行ってるんだか行ってないんだか。